ブリッジ・オブ・スパイ

本日はスティーブン・スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』をご紹介いたします。
なんとあのコーエン兄弟の脚本を御大が監督されるという事で映画ファンにはたまらなく楽しみな作品だったわけですが、やはり上手い。
その一言に尽きますね。冷戦時代初期のスパイの捕虜交換を描いた脚本ですがところどころに当時の文化が出てきたりして、世界が構築されていると感じました。
やはり冷戦時代の緊張感というのは現在とはまるで別ものだったと感じられます。
主演のトム・ハンクスはソ連のスパイの弁護を引き受けることになる人物ですが非常に高潔でアメリカの自由主義を守る為に職務に専念するさまが非常に丁寧に描かれており感動させられます。
またソ連側のスパイであるルドルフ・アベルを演じたマーク・ライランスがひょうひょうとしてなお毅然とした態度で只者ではない雰囲気が素晴らしく面白かったです。
さて脚本もさることながらやはり凄いなと感じたのがスティーブン・スピルバーグの演出力ですね。
何気ないシーンが本当にすごい。ベルリンの壁周辺の混乱にしても、汽車から偶然トム・ハンクスがみかける事件の描き方にしてもちょっとしたシーンがとんでもなく迫力のある映像になったり、印象に残るシーンになったりしています。
アメリカ側の戦闘機が撃墜されるシーンのミサイルが下から飛んでくるあたりの描き方はまさしく絶品。
このシーンだけでも本当に観て欲しい。
出来れば派手な映画をスピルバーグには撮ってもらいたいのですが、もはや彼にとっては当たり前すぎて興味がわかないのかもしれませんね。
ともあれ巨匠の巨匠たるゆえんが存分にはっきされた名作です。是非ご観賞の程を。