るろうに剣心「京都大火編」「伝説の最期編」。

私は大友啓史監督の「るろうに剣心」の映画シリーズがお気に入りです。もともとは原作ファンの私でしたが、キャストの豪華さとあの世界観やアクションを実写でどう表現するのか、最初は単純に興味本位で映画館に足を運びました。

小説や漫画を題材にしたいわゆる「実写化」は、時としてファンの激しいバッシングを浴びることがあります。キャラクターや世界観を個々が大切にしている以上、またその作品に対する愛情が強ければ強いほど、実写という形でそれを壊されるのが我慢ならないという気持ちは分からなくもありません。個人的にはやはり実写は原作を越えられないものだと思いますし、両者は全くの別物だという視点で捉えるようにしていますが、このるろうに剣心の映画は危うくその概念が覆されそうになるほど見事な映画だったというのが率直な感想です。

2012年にまずるろうに剣心の一作目が公開となり、大友監督の名前と共に大きな反響を呼びました。主演俳優の佐藤健演じる剣心の雰囲気が原作のそれと比べても遜色ないことに加えて、映画ならではの豪快なアクションと世界観が見事に表現されていて、これは次回作が必ず公開されるだろうと密かに期待を募らせましたね。それから2年後の2014年、待ちに待った続編が二部作として登場。まず公開されたのが「京都大火編」ですが、これは原作の中でも名作中の名作と呼ばれる非常にファンの多い回です。

剣心が昔の自分の後継者とされた強敵志々雄実と対峙し、最後の奥義を会得しその野望を打ち砕くというストーリーですが、とにかくアクションが多く派手。また全身がミイラを連想させる包帯姿の敵役、志々雄実の表現も実写では厳しいだろうと言われてきました。しかしいざ蓋を開けてみるとさほど違和感もなく、その姿のままでは難しいと言われた激しいアクションも見事なものでした。

志々雄を演じた藤原竜也の演技力にはさすがの一言ですが、やはり不自然でないアクションをこなすには相当の練習量と忍耐を重ねたようです。とにかくプロローグの段階から壮大な世界観が映画館を包み、これを表現できる大友監督は日本の新しいアクション映画の扉を開いた監督だといっても過言ではないと思います。魅力的な敵役のキャスト陣も見事に原作のキャラクターにはまっていて、この出来なら、と納得した原作ファンも多いのではないでしょうか。この約1ヶ月後に公開されたのが後編となる「伝説の最期編」。

前編がじっくりと描かれていたぶん後編はやや駆け足感が否めず、強引にラストまで持っていったような雰囲気はありますがもしこれが三部作だったなら、原作に負けず劣らずの見事なシリーズが完成したのではと思いますね。いずれにせよ原作の雰囲気や世界観そのままにキャラクターに命を吹き込んだ大友監督の手腕には驚かされっぱなしの名作でした。

「実写化はこける」というのがもはや定説になりつつありますが、ここまでヒットした実写映画も日本では珍しいのではないでしょうか。るろうに剣心の実写映画はこれでピリオドを打たれるようですが、大友監督の手掛ける作品はこれからも是非注目していきたいですね。